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亀井利明理事長記念事業の記録

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第24回全国大会・亀井利明理事長記念事業の記録

2001年3月24日

日本リスクマネジメント学会事務局
亀井利明理事長記念事業実行委員会

「亀井利明理事長記念事業」
亀井利明理事長記念事業の記録

21世紀を迎えた日本リスクマネジメント学会(1978年創立)では,2001年3月24日に、関西大学において、春季全国大会(第24回全国大会)を開催した。本大会は「21世紀のリスクマネジメント」を統一論題とし、内外の代表的なリスクマネジメント研究者による研究報告があり、活発な討論が交わされた。

本大会は、亀井利明理事長記念事業の一環として開催された。当学会の創設者であり、日本におけるリスクマネジメントのパイオニアである亀井利明理事長は、2000年10月15日に古稀の賀を迎えられた。また、亀井理事長は関西大学商学部において、46年間にわたり教育・研究・大学運営に邁進してこられたが、2001年3月末日をもって定年退職され、関西大学名誉教授となられた。日本リスクマネジメント学会は、学会創立以来23年間、献身的に学会運営の総てを支えてこられた亀井理事長の古稀の賀を祝し、ご退職を記念し、長年のご厚誼に感謝し、なお一層のご活躍とご健康を祈念して、2001年3月24日に「亀井利明理事長記念事業」を行った。

日本リスクマネジメント学会・亀井利明理事長古稀・定年退職記念事業

  • 1.春季全国大会の開催(関西大学)
  • 2.大会での亀井利明理事長記念講演「リスクマネジメントと危機管理の動向」
  • 3.記念パーティの開催(東急ホテル)
  • 4.記念展示「亀井利明先生の足跡」(関西大学第2学舎ホール)
  • 5.記念誌『毒舌教授とリスクマネジメント』の発刊

1.春季全国大会(第24回全国大会)

2001年3月24日(土)の午前10時から午後4時に、関西大学の第2学舎(経商学舎)A503教室において春季全国大会が開催された。参加者は110名に上った。会場となった関西大学の第2学舎新棟の定礎の石には、関西大学の理事を務められた亀井利明理事長の名前が刻まれている。

午前の部では、統一論題を「21世紀のリスクマネジメント」とし、大阪市立大学の吉川吉衛教授の問題提起(本誌参照)の後、専修大学の上田和勇教授(本誌参照)、白鴎大学の戸出正夫教授、愛知学泉大学の須田晄教授の研究報告があった。

午後の部では、まず、昼食休憩時に回収された質問票に基づいて、統一論題に関する質疑応答が実施された。フロアから次々と会員が質問に立ち、21世紀のリスクマネジメント像をめぐって活発な討議が繰り広げられた。富士火災の竹本恒雄氏対するクライシス・アカデミー授与式の後、招待報告として、韓国におけるリスクマネジメント研究の第一人者で韓國リスク管理学会顧問の朴恩會氏から「保険会社経営の世界比較」(本誌第32号参照)の発表があった。休憩後,亀井利明理事長の記念講演「リスクマネジメントと危機管理の動向」があった。

2.亀井利明理事長記念講演「リスクマネジメントと危機管理の動向」

・亀井利明理事長出演テレビ番組の編集ビデオ上映

記念講演に先立って、亀井利明理事長出演の過去の数多くのテレビ番組から学会事務局で約5分に編集したビデオが上映された。上映後、春季全国大会の総合司会を務めた竿田嗣夫・京都学園大学教授より、次のような紹介があった。

「『日本の博士50人クイズ』の番組が放映されたのが今から20年前の1980年のことでした。今ご覧になられたように、亀井先生は、当時、「みなさんにはあまりなじみがないかもしれませんが、リスクマネジメントの研究をしております」と番組の中でおっしゃっていました。20年たった現在、新聞で危機管理やリスクマネジメントという言葉を目にしない日はありません。あらためて、リスクマネジメントの日本におけるパイオニアとして,亀井先生の時代を先取りした業績のすばらしさを再認識する次第です。さて、番組の中でキダタロー氏が手にしておられた当学会創設期の学会誌『危険と管理』ですが、当時はあのようなスタイルでした。あらためて当学会の24年の伝統を再認識したいと思います。」

・亀井利明理事長記念講演「リスクマネジメントと危機管理の動向」

記念講演の司会は鹿児島経済大学の韓義泳教授が務めた。亀井利明理事長記念講演「リスクマネジメントと危機管理の動向」の主たる内容は次の通りである。

「リスクマネジメントと危機管理の動向」

  • 1.純粋リスクから投機的リスクへ:loss only riskからloss or gain risk
  • 2.外襲的災害リスクから内在的経営リスクへ
  • 3.リスクマネジメントから危機管理へ
  • 4.管理リスクから戦略リスクへ:経営管理型RMから経営戦略型RMへ
  • 5.危機管理の低俗化と怪しげなRM
  • 6.心の危機から危機管理カウンセリング:破壊リスクと嫉妬リスク,危機管理コーディネーション
  • 7.企業モラルの低下とコンプライアンス:巨大化の追求、企業間信用の膨張、企業不祥事

なお、当日の記念講演で話された内容については、本年上梓された亀井利明理事長の最新の著書『企業危機管理と家庭危機管理の展開』(危機管理総合研究所)の中にすべて盛り込まれている。

・徐聖錫氏による記念スピーチ

記念講演の後、釜山経商大学助教授の徐聖錫氏が、記念のスピーチを行った。7年間の関西大学留学時に、博士号の学位を取得した徐氏は、指導教授であった亀井利明理事長について、「弟子の観点から」次のような感謝の言葉を述べた。

「亀井先生は、並の人間ではできないようないろんな業績を残しながら、日本のリスクマネジメント学会を今まで育てこられ、それにとどまらず外国の学会や研究会のためにも力を注がれ、学問の発展に努力なさってきた。その力の幅、広さ、重さ、すべての点において、今までの普通の研究者や教育者には見られない要素がある。そこにはカリスマ性が感じられる。ところで,亀井先生にはもともとカリスマ性があるから、あれだけの仕事ができるのだとおっしゃる方々がいる。しかし、私が傍で7年間勉強して見てきた亀井先生は、もともとカリスマ性を持っておられる方ではなくて、ひとつひとつの仕事を本当に情熱を持って、自己犠牲をなさって、成し遂げてこられたから、カリスマが形成されてきたのではないかと思う。そのカリスマの部分のみを見て、それに怖さを感じて、それを重荷に感じて離れていく方がおられる。しかし、亀井先生のカリスマは、今までの先生の情熱の固まりではないか。先生の熱意と犠牲と情熱がひとつひとつ集まってそのカリスマを形成したのだと思う。

亀井先生の下での7年間は私の人生の中で最も充実していた。実際,私は韓国に帰って1年間で18キロ太ってしまった。韓国に帰って4年目になるが、韓国に帰ってからの3年間は、充実度から見ると亀井先生の下で勉強していた7年間の10分の1位しかないような気がする。

この不確実な時代に、はっきりした自分の意志があって、それを実行する実践力があって、正しいか悪いかをはっきり言えるという亀井先生のようなリーダーの下にあるのが、いかに幸せであるか、私は再三認識している。

亀井先生、今後も、学会と、我々弟子のために、そして後学のために、その情熱を注いで下さることを心から願っております。」

 この後、韓國危機管理研究会からの亀井理事長への記念杯の贈呈があった。

3.記念パーティー

場所を大阪梅田の東急ホテルに移して、午後6時より、亀井利明理事長古稀祝賀・定年退職記念パーティを開催した。臨席者は100名に上った。司会を日本大学助教授の白田佳子氏が務めた。戸出正夫氏の開会挨拶の後、乾杯の音頭をとった朴恩會氏より次のような挨拶があった。

「亀井氏は芸術家になっていた方が成功したのではないか。彼には独創性がある。「心の危機管理」という概念を理論的に確立したのは、彼が世界で初めてであろう。」

 乾杯の後、亀井理事長を囲んでの懇親の宴が進行した。司会の白田氏から、古稀70歳にちなんで、「七枚の写真でたどる亀井先生の歩み」と題してOHPによる写真の投影と解説があった。使用された写真は、春季全国大会会場の関西大学第2学舎ホールでの記念展示「亀井利明先生の足跡」(本誌後続頁参照)に用いられたものと同じである。「七枚の写真」の企画に続いて亀井理事長から、次の通り挨拶があった。

 「人間はリスクの固まりです。私は、リスクの固まりの中でも、特にリスクが強いようです。私は感性が強すぎて、時には摩擦を起こしてしまうのです。私は、骨まで、リスクマネジメントを愛しております。今後ともみなさんと共にリスクマネジメントの研究を進めていきたいと思います。人生には限りがございますが、あと7年間は生きて、その間に、リスクマネジメント研究をより一層発展させ、世界に冠たるリスクマネジメント理論を完成させたいと思います。みなさん、どうぞご協力お願い申し上げます。」

 その後、大橋忠氏によるハモニカ演奏、亀井理事長本人によるハモニカ演奏、上田和勇氏、吉川吉衛氏、須田晄氏からの祝辞、46年間勤務された関西大学の学生による花束と記念品贈呈があった。

 最後に、亀井理事長本人のハモニカ演奏に合わせて、臨席者一同「蛍の光」を斉唱した。 アンコールに応じた亀井理事長が「アリラン」を演奏すると、朴恩會氏がそれに合わせて熱唱した。日本と韓国を代表するリスクマネジメント研究者によるこの共演によって、記念パーティは終了した。

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