概要

「3.11被災地復興の新たな展開と課題 -風化を乗り越えて-
日本リスクマネジメント学会第41回全国大会 統一論題の意義」

司会 亀井克之(事務局長・関西大学)

3・11東日本大震災の発災から6年が経過し、7年目に突入しました。この間、直接人命に関わる初動時、緊急時からハード面を中心とする復旧・復興はかなりの程度進展し今日に至っている。ただ、7年目ともなれば3・11は人々の記憶から薄れ、遠い昔の出来事のようになり、いわゆる風化現象を示現しているのが実情であろう。
 しかし、現場では現在、現実としてまだまだ悪戦苦闘が続いている。復興の加速化やこの時期だからこそ見えてくる多くの問題などもある。確かに復興の内容は主としてハード面からソフト面に移行し新たな展開、新たな局面を迎えているのではないでしょうか。すなわち復興は第2ステージに移行していると思われる。そこで、例えば議論の俎上(対象)に以下のような4つの分野のテーマを乗せ、検討してみたいと思います。
 第1に、例えば産業面でいえば、壊滅的な被害を被った水産業も船の調達、岸壁や養殖場、工場等の整備などのハード面から今日では若手人材の育成や加工食品の販路開拓あるいは新規ビジネスの起業などを取り上げることも重要であろう。
 2番目のテーマとして、例えば被災者が仮説住宅から公営住宅などに移転した場合のコミュニティ形成の問題や一時的に地域外、県外などに避難した被災者の「帰還」の問題も重要であろう。
 3番目として、健康・福祉の問題である。特に介護の問題については、全国的なテーマではあるが、被災地の介護人材不足によるサービス不足の問題はやはり被災地にあっては厳しいあるいは独自の問題も見られるのではないでしょうか。
 そして4番目として、2番目の問題とも関係するが、避難者の子供が避難先の学校で震災を種にしていじめにあっている、という問題である。被災者家族にとって極めて悲しくも苦しい問題である。
 本学会の研究会での統一テーマとして、この3・11の最近の復興動向に関して、以上のような大きく4つのテーマを取り上げ、そのリスクマネジメントについて議論したいと思います。

 なお特別ゲストスピーカーとして、前岩沼市長の井口経明さんとオイカワデニム前社長の及川秀子さんをお招きします。

日時/場所
日時 平成29年9月23日(土)9:30~15:20
場所 東北福祉大学ステーションキャンパス館6F
プログラム

大会委員長:江尻行男

9:30~9:35開会の辞・・・・・・・・・上田和勇(日本リスクマネジメント学会理事長)
9:35~9:40歓迎の言葉・・・・・・・江尻行男(東北福祉大学)
9:40~10:00会員総会・・・・・・・・・亀井克之(日本リスクマネジメント学会事務局長)
研究報告

統一論題 「3,11被災地復興の新たな展開と課題―風化を乗り越えてー」

10:05~10:20問題提起・・・・・・・・・江尻行男(東北福祉大学)
10:20~10:45「レジリエンス向上のためのリスクコミュニケーションー大企業と中小企業との比較研究―」・・・・・・・・・姜徳洙(嘉悦大学)
10:45~11:10「仮題 岩沼市の復興と地域づくり」・・・・・井口経明(前岩沼市長)
11:10~11:35「仮題 メイド・イン・ジャパン オイカワ・デニムの取り組み」・・・・・・・・・及川秀子(オイカワデニム)
11:35~12:00「集中復興期間後のリスクマネジメント―原発事故による帰還問題に焦点をあててー」・・・・・・・・・渡邊圭(東北福祉大学)
12:00~13:00昼食、休憩・・・・・・・・・S603
理事等の会議・・・・・・・・・S604
写真撮影・・・・・・・・・S601
13:00~14:00統一論題質疑応答 ※昼休みに統一論題報告者への質問票の回収
14:00~14:10休憩
自由論題
14:10~14:30「回避すべき重大損失とは何か」松下幸史朗
14:30~14:50「不動産購入者のリスク回避手段となる宅地建物取引業法上の重要事項説明書の機能と限界」篠崎一成(放送大学)
14:50~15:10韓国リスク管理学会代表 報告
15:10~15:20閉会の辞・2018年創立40周年記念大会について・・・・・・・・・亀井克之(事務局長)
エクスカーション

<エクスカーション> 9月22日(金)

3.11被災地バスツアー→名取市(バス代+語り部つき)

11時30分JR名取駅集合・乗車(車内でスケジュール、視察個所の説明)
12時00分昼食(仮設商店街にて)
13時00分名取,亘理の被災地視察
16時50分仙台駅に到着→ 一旦解散・各自ホテルなどへ