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『危険と管理』第28号・RM双書(Jarms Report) No.16
『各国のリスクマネジメント』
1998年1月発行
はしがき
日本リスクマネジメント学会
理事長 亀井 利明
日本リスクマネジメント学会は創立20周年を迎えた。今を去る20年前の昭和53年9月23日に、リスクマネジメント研究者29名が関西大学に参集し、当学会の創立総会を開催した。
第1回の全国大会は昭和53年11月に大阪経済大学で開催され、今日までに20回の全国大会、60回に及ぶ地方部会や専門部会を開催し、わが国のリスクマネジメントや期管理の学問形成とその実践活動に大なる貢献を果してきた。
その研究成果はレフェリー制の下に会報に発表されている。すなわち、『危険と管理』(別名RM双書)の定期的刊行を行い、わが国唯一のRMの専門的学術刊行物としての機能を果し、日本学術会議や日本経済学会連合から認定された公認学術団体としての権威を保持してきた。
一つの公的組織がいかなるものであってもその維持管理はきわめて重要で、そのサバイバルに向けたマネジメントはむずかしく、たとえそれがリスクマネジメントの専門機関でもその例外ではありえず、役員一同の努力と会員各位の協力が必要であった。
ところで昨今リスクマネジメントや危機管理に関する各種の組織体が続出し、およそ学問とは無関係なものや、一方に偏したものが登場し、それらが見事なPR活動を展開し、リスクマネジメントや危機管理を低俗な常識用語化させているのが現状である。しかしわれわえれは学問の研究とその実化の活動自体が唯一の目的で、それ以外の目的をもたない。そしてその目的を実現するための手段として、RMA、RMCの認定とCrisis Academy大賞等の授与を行ってきた。現在、RMAは300名、RMCは100名を数え、当学会の大多数がその資格保持者となっている。また20周年を記念して、日本学士会の制度を倣し、Crisis Academy大賞の制度を実施し、徳山喜昭氏(関西道路サービス)、水谷肇氏(水谷製作所)、井上昌俊氏(株式会社アイモク)が受賞され、学の実化をはかっている。
平成10年度は創立20周年にあたるので、1月に春季全国大会(関西大学)と9月に秋季全国大会(白鴎大学)を持つことになった。また、6月には日韓RMセミナーを釜山で開催することになった。
本双書の第16集は第19回の全国大会(於早稲田大学)での研究発表を中心として編集した。期日までに論文を提出された方には、その全文を掲載したが、そうでない方には編集委員の責任で、当日配布されたレジュメを集め、これを公表し、大方の参考に供することにした。
春季大会の懇親会での挨拶のなかで、早稲田大学の大谷教授が日本リスクマネジメント学会はやっと成人式を迎えたが、やがて還暦や古稀を迎えることを期待すると言われた。全く同感である。また比喩的ではあるが、筑波大学の白田助教授は、亀井のリーダーシップに言及されたが、疾風怒濤の時代、良きにつけ、悪しきにつけ会員の一層の協力が必要不可欠で、日本リスクマネジメント学会の維持、防衛、成長、発展を願うこと切である。
1998年1月
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